猫背・ストレートネック

猫背・ストレートネックについて
猫背やストレートネックは、単なる姿勢の問題にとどまらず、首・背中・骨盤のバランスや神経の働き、血流の流れにも深く関係しています。
一般的な病院やクリニックでは、レントゲンやMRIを用いた診断のもと、湿布・電気治療・痛み止め・理学療法などが行われることが多いでしょう。
しかし、本質的な改善を目指すなら「骨格のバランス」「神経系の調整」「血流・リンパの促進」の3つの要素を統合的に考えることが重要です。
当院では、カイロプラクティックとオステオパシーの融合手技「頭蓋療法クレニオセラピー」を用いて、これらの要素に総合的にアプローチし、より根本的な改善を目指します。
猫背・ストレートネックの原因と改善方法
本来、背骨のカーブは側面から見て緩やかなS字を描きます。腰痛が前弯→胸椎が後弯→頚椎が前弯、これが「生理的なS字弯曲」と呼ばれる状態で、このカーブを失うことで様々な症状・体調に影響を与えます。
猫背+ストレートネックの誤解と問題点
近年、日本では「ストレートネック」という言葉が広く使われていますが、米国のカイロプラクティックの概念とは異なる表現 です。
日本で多用される「ストレートネック」とは
- デスクワークやスマホ使用で頭が前に突き出る
- 頚椎の自然なカーブが消失し、首が直線状になる
- 猫背が進行し、頚椎と後頭骨に過剰な負担がかかる
米国での「ストレートネック」との違い
- 頚椎がストレートに伸びた状態を「ミリタリーネック(Military Neck)」と呼び、フラットバック姿勢(背中のカーブが失われた平な背中)に伴い、頚椎が直立する状態を指す
- 猫背からのストレートネックは、むしろ上部頚椎(Occ-C1-C2)が過剰前弯しているケースが多い
つまり、米国では「生理的なS字湾曲が消失」し腰椎・胸椎が直線的になり、その延長上の頚椎もストレートな状態を指し、日本では「生理的なS字湾曲が過剰の胸椎」が猫背状態で首を起こす事ができずにアゴだしになる状態を指す、という真逆の解釈になっています。

後頭部、頭の付け根、首の付け根、背部に出現する痛みや違和感は、頚椎の歪みが影響していることに間違いありません。
しかし、正常な生理的なS字弯曲を復元するには、骨盤の角度と身についた姿勢習慣もあわせて修正する必要がありますので、痛みがどこから来ているのか見極めることが重要です。
猫背・ストレートネックの原因
カイロプラクティック&オステオパシーの視点
カイロプラクティックの視点(ピアーズテクニック)
カイロプラクティックでは、猫背やストレートネックの原因を脊椎の後下方変位 に着目して分析します。
- 下部頸椎(C5)の後下方変位が起点になりやすい
- 上部頚椎(C1・C2)の過剰前弯が後頭骨に負担をかける
- 胸椎・胸郭の影響で、頚椎に過剰な負担がかかる
- 骨盤の後傾(後下方変位・ダブルPI)が関与し、全身の姿勢バランスが崩れる
ピアーズテクニック・アジャストメントは「トムソンテーブル使用」を用いて、後下方変位に対応した矯正が可能!
オステオパシーの視点
オステオパシーでは、猫背やストレートネックは、筋膜や神経のバランスが崩れることで悪化する と考えます。
- 頚椎・胸椎周辺の筋膜の緊張が、猫背やストレートネックを引き起こす
- 頭部と首の付け根の筋肉の過剰な緊張が、頭痛や目の疲れを悪化させる
- 横隔膜の緊張が、呼吸の浅さや集中力低下を招く
オステオパシーの施術で筋膜の緊張を緩め、体全体のバランスを整える。
トリガーポイントの影響
猫背やストレートネックでは、特定の筋肉のトリガーポイントが影響を与え、慢性的な痛みやコリを引き起こす ことが多い。
- 僧帽筋や肩甲挙筋の過緊張が首こり・肩こりを悪化
- 大胸筋の緊張が肩を内巻きにし、猫背を助長
- 後頭下筋群のトリガーポイントが頭痛を引き起こす
トリガーポイント療法で筋肉の硬直を解消し、痛みの軽減を図る。
一般的な対処法とその違い
医療機関での対応(整形外科・リハビリ)
- 姿勢矯正のアドバイス
- 首や肩のストレッチ指導
- 痛みが強い場合、湿布や鎮痛剤の処方
接骨院・整体での対応
- 電気療法や温熱療法
- 肩甲骨周りのマッサージ
頭蓋療法クレニオセラピーによるアプローチ
当院では、猫背・ストレートネックに対し、カイロプラクティック・オステオパシー・トリガーポイントを融合した頭蓋療法クレニオセラピーで施術を行います。
融合した手技・クレニオセラピーの特徴
- 骨格のアライメント調整
頚椎・胸椎・骨盤のバランスを整え、姿勢を本来の形に戻す
ストレートネックや猫背の原因となる脊椎骨盤の歪みを調整 - 頭蓋骨と自律神経の調整
頭蓋骨の微細な動きを調整し、神経系の働きを正常化
副交感神経を活性化し、ストレスや慢性疲労を軽減 - 血流・リンパの循環促進
筋膜の緊張を解き、血液やリンパの流れをスムーズにする
酸素と栄養の供給を改善し、回復を促進
(1) 頭蓋・頚椎・骨盤の調整で姿勢の土台を作る
猫背やストレートネックの多くは、単に首や背中だけの問題ではありません。特に頭蓋骨・上部頚椎と骨盤(仙骨)のバランスが崩れると、体全体の姿勢が乱れ、首や背中に負担がかかります。
→ まず骨盤(仙骨)の調整を行い、姿勢・骨格の土台を安定させます。
- 頭蓋骨のバランスを整えることで、頚椎(首の骨)のカーブを回復
- 骨盤の傾きを調整し、猫背を引き起こす負担を軽減
(2) 神経系の調整で姿勢を維持しやすくする
姿勢が崩れる大きな要因の一つが、神経の伝達異常です。
姿勢を保つ筋肉(インナーマッスル)は、脳からの指令によって動いています。
→ 神経の圧迫を取り除き、筋肉が正常に働く環境を作ります。
- 頭蓋骨の調整で脳脊髄液の循環を改善し、神経の働きを最適化
- 背骨の可動域を広げ、正しい姿勢を自然に維持できるようにする
(3) 筋膜と血流のアプローチで回復を促進
長年の猫背・ストレートネックは、筋膜の癒着や血流の滞りを引き起こしています。これにより、肩こりや慢性疲労、頭痛といった症状が現れることが多いのです。
→ 筋膜リリースと血流促進を組み合わせ、根本から回復をサポートします。
- 首・肩・背中の筋膜リリースで柔軟性を回復
- リンパの流れを促し、老廃物を排出しやすくする
猫背・ストレートネック対する施術のまとめ
- 頚椎・胸椎の調整と姿勢矯正(Chiropractic)
- 仙骨の前傾、腸骨の後下方変位(Double PI)の調整
- 上部頚椎(C1-C2)と下部頚椎の後下方変位を調整し、姿勢を正しく保つ
- トムソンテーブルを使用し、安全かつ的確なアジャストメントを実施
- 筋膜リリースとトリガーポイント療法(Trigger point)
- 頚部や肩甲骨周りの筋膜の緊張を解消
- トリガーポイントを解除し、慢性的なコリを緩和
- 呼吸と神経系の調整(Osteopathy)
- 横隔膜の緊張を緩め、深い呼吸を促す
- 自律神経のバランスを整え、首や肩の緊張を軽減
- 頭蓋療法による神経調整(CST)
- 後頭部の筋膜や神経のバランスを調整し、頭痛や目の疲れを軽減
- 脳脊髄液の流れを改善し、集中力やパフォーマンス向上をサポート
おすすめのセルフケア
頭蓋療法クレニオセラピーと並行して、日常のセルフケアを行うことで、改善効果をさらに高めることができます。以下のリンクを参考にご覧ください。
まとめ
「ストレートネック」は日本独自の表現であり、実際には過剰前弯が起きているケースが多い。ピアーズテクニック(カイロプラクティック)では、伏臥位での後下方変位を考慮した的確なアジャストメントが可能。カイロプラクティック・オステオパシー・頭蓋療法クレニオセラピーを融合した手技で、根本的な姿勢改善をサポートします。