肩こり・腰痛が治らない本当の理由|根本改善のための正しい知識

肩こり・腰痛が繰り返す理由の医学的・科学的解説|横浜西口の整体の案内

肩こり・腰痛が、繰り返す本当の理由とは?

「どうせ1回では治らない」「どうせすぐ戻る」—— そんな不満を口にする人は少なくありません。

しかし、その多くが 自分の症状の原因や仕組みを理解せず、思い込みや自己判断だけで対処している 傾向があります。例えば、手軽なマッサージに頼ったり、安さを優先して施術を受けたりして、「結局よくならなかった」と失望してしまうのです。

肩こり・腰痛は病気ではなく「筋肉の悲鳴」

肩こりや腰痛(内臓の影響やケガを除く)は 病気ではなく、筋肉が発するSOS です。これは 日常の姿勢や生活習慣の結果 であり、 その習慣を改善しなければ、何度でも繰り返してしまいます。

原理を知ることは改善を早め、再発しない身体づくりになります。

医学的根拠

筋肉の酸欠と代謝異常

筋肉は動作時に エネルギー(ATP)を消費し、酸素と血流を必要とします。しかし、悪い姿勢や長時間の同じ動作(デスクワークやスマホ操作)により、 筋肉が持続的に緊張すると、血流が低下 します。

血流が低下すると、筋肉は酸素不足になり、嫌気性代謝(無酸素運動の状態)に移行。その結果、乳酸やヒドロキシルラジカルなどの疲労物質が蓄積し、神経を刺激して痛みを引き起こす ことが知られています。(参考:筋筋膜性疼痛症候群 Myofascial Pain Syndrome, MPS)

また、持続的な筋緊張が続くと、筋膜の滑走性が低下し、トリガーポイント(痛みを引き起こす筋硬結)が形成 されます。これが慢性的な肩こり・腰痛の原因の一つです。


腕立て伏せやスクワット、腹筋などの反復運動は、誰しも一定の回数を超えると出来なくなるのと同じで、自身の体力・筋力の限界に近づいても負荷を掛け続けると痛みを引き起こします。

科学的根拠

姿勢と筋バランスの影響

「ストレートネック」や「猫背」は、頭や体の重心バランスを崩し、一部の筋肉に過剰な負荷をかける 状態を生みます。

例えば、頭の重さは約5〜6kgありますが、 前傾姿勢になると首や肩の筋肉がその何倍もの負荷を支えることになり、筋肉の過緊張を引き起こします。(参考:Hansraj, 2014, Surgical Technology International)

これらの状態を放置すると、筋肉の疲労が蓄積し、痛みが慢性化するメカニズム が生じるのです。


頭部の重さ約5kgが、正しい頚椎カーブ(生理的前弯カーブ)の時は、肩の付け根に同等の重さが掛かりますが、頭部が前傾(うつ向き)30度で負荷が16kg(3倍)へ、さらに60度前傾すると負荷は27kg(5倍~)へ増加します。

筋肉が発するSOSとは?

筋肉は 繰り返し負荷がかかると、限界に達して「これ以上無理!」と脳が判断し、張り・違和感・疲労感・痛みを出して警告 します。

これは 「侵害受容性疼痛(nociceptive pain)」 と呼ばれ、組織が損傷する前に危険を知らせる役割を持つ ものです。(参考:International Association for the Study of Pain, IASP)

また、慢性的な筋緊張が続くと、交感神経が優位になり、血管が収縮しやすくなるため、さらに血流が悪化 します。この状態が続くと、痛みが記憶され、脳が「痛みを感じやすい状態」になる ことが研究で示されています。(参考:Woolf, 2011, Pain)


脳は身体の異常や危険を察知すると、身体を守るために痛みというシグナルで知らせます。

マッサージだけでは根本解決にならない理由

つらいコリや痛みを「押してほぐせば治る」と思っていませんか?

一時的に血流が促進され、軽くなる感覚はありますが、根本の原因(姿勢や筋肉の使い方)が変わらなければ、負荷は変わらず、再び筋肉が硬くなります

科学的根拠

過剰な刺激が筋肉を硬くする

強いマッサージや過剰な刺激を与えると、筋肉の防御反応(筋防御)が働き、かえって硬くなる ことが研究で報告されています(参考:Lund et al., 1991, Pain)。

さらに、一度損傷した筋繊維は炎症を起こし、回復過程で結合組織が増えることで、以前より硬くなる可能性がある ことも示唆されています。つまり、強いマッサージを繰り返すほど、逆に筋肉が硬くなるリスクがあるのです。


ペンだこ、靴だこのように継続的に同一部位が刺激を受け続けると組織が硬くなります。慢性的な肩こり・腰痛の筋肉を押し続けている人の共通点は、ペンだこ・靴だこ同様に硬く盛り上がり、さらに強い刺激圧を求めるようになります。

再発しないためのカギ

肩こりや腰痛を繰り返さないためには、次の3つを セットで改善すること が重要です。

  1. 生活・姿勢環境の見直し(長時間同じ姿勢を避ける・正しい体の使い方・座り方を意識する)
  2. 歪んだ骨格の矯正(適切な手技療法でバランスを整える)
  3. 硬くなった筋肉の回復(血流改善・適度な運動で持久力を向上させる)

これらを継続することで、慢性的な肩こりや腰痛を根本から解決することができます。

肩こり・腰痛(内臓の影響やケガを除く)は、姿勢環境から出現する代表的な筋肉症状であり、骨格の歪みや筋肉だけを対象にして、姿勢環境を無視しては好結果にはつながりません。肝臓病患者がアルコールをやめずに改善結果だけ求めることに等しいのです。

まとめ

  1. 肩こり・腰痛は病気ではなく、筋肉の酸欠や代謝異常が引き起こすSOS
  2. 姿勢や筋バランスの崩れが、慢性的な負担を生み出す
  3. 強いマッサージは逆効果で、長期的には筋肉を硬くする可能性がある
  4. 本当に改善するには、生活習慣・骨格調整・筋肉の回復をセットで行うことが大切