マッケンジー運動療法

目次
マッケンジーテクニック(McKenzie Technique)とは?
マッケンジーテクニック(McKenzie Technique) は、腰痛や椎間板ヘルニア、坐骨神経痛などの脊椎由来の痛みを改善するための運動療法です。
ニュージーランドの理学療法士 ロビン・マッケンジー によって開発され、正式には 「Mechanical Diagnosis and Therapy(MDT)」 と呼ばれます。
この方法の特徴は、痛みのパターンを評価し、特定の方向への動作を繰り返すことで、症状を軽減・改善する点 です。患者自身が運動を行うことで、自己管理が可能になり、再発予防にも役立ちます。
マッケンジー法の3つの分類
マッケンジーテクニックでは、痛みの種類を以下の『3つのタイプ に分類』し、それぞれに適したアプローチを行います。
① 構造的な問題(椎間板の変性)
構造的変位症候群の特徴
(Derangement Syndrome)
- 椎間板ヘルニア・椎間板の変性 が主な原因。
- 神経の圧迫 により、放散痛(坐骨神経痛など)が発生することが多い。
- 痛みが 特定の動作で悪化 or 改善する「方向性(Directional Preference)」がある。
構造的変位症候群のアプローチ
- 方向性を特定し、神経の圧迫を減らす運動(主に後屈=エクステンション) を行う。
- 腰を反る運動(エクステンション運動) で痛みが軽減するケースが多い。
立位で後屈、または腹臥位で腕をついて背面へ反るなどの運動法。
② 筋肉や関節の柔軟性低下(筋肉組織の硬化・柔軟性の欠如)
機能障害症候群の特徴
(Dysfunction Syndrome)
- 長期間の不動(座りっぱなし、運動不足)や加齢により、筋肉や関節の柔軟性が低下 した状態。
- 筋膜や靭帯の緊張が強まり、可動域が制限されている。
- 動かすと痛いが、繰り返すことで改善する。(ストレッチの効果が出る)
機能障害症候群のアプローチ
- ストレッチや可動域拡大のための運動 を行い、筋肉・関節の柔軟性を取り戻す。
- エクステンション(後屈)だけでなく、屈曲運動(前屈)も重要。
③ 姿勢の問題(不良姿勢による機能障害)
姿勢性症候群の特徴
(Postural Syndrome)
- 悪い姿勢(猫背・反り腰など)が原因で、筋肉や靭帯に負担がかかり、痛みを引き起こす。
- しびれや強い痛みはないが、長時間同じ姿勢をとると出現する痛み。(例: 長時間のデスクワークで腰が痛くなる等)
- 同じ姿勢など、痛みの出る時の条件がないと再現しない痛み。
- 動かせば痛みが改善することが多い。
姿勢性症候群のアプローチ
- 正しい姿勢を保つトレーニング。(デスクワーク時の姿勢調整など)
- 腰椎や骨盤のカーブを正常に保つための軽いエクササイズを行う。
- セルフケア指導(座り方・立ち方・ストレッチ)が重要。
マッケンジーテクニックの分類
分類 | 主な特徴 | アプローチ |
---|---|---|
椎間板の変性(Derangement Syndrome) | 椎間板ヘルニアや神経圧迫が主な原因 | 方向性を見つけ、圧迫を減らすエクササイズ(後屈が多い) |
筋肉の硬化・柔軟性の欠如(Dysfunction Syndrome) | 長期の不動や加齢による可動域の低下 | ストレッチや動作の繰り返しで可動域を回復 |
姿勢が関与した機能性の問題(Postural Syndrome) | 不良姿勢による痛み、長時間の同じ姿勢が問題 | 姿勢の改善・軽いエクササイズ・セルフケア |
当院でのマッケンジーの活用法
当院では、腰痛・ヘルニア・坐骨神経痛等に対し、マッケンジーテクニックをカイロプラクティック・オステオパシー・頭蓋療法クレニオセラピーと組み合わせ、症状・状況に応じて施術を行っています。
- カイロプラクティック → 脊椎のアライメント調整、神経の流れを改善。
- オステオパシー → 筋膜の緊張を解放し、自然な動きを取り戻す。
- マッケンジーテクニック → 痛みを軽減する方向への運動を指導。
- 頭蓋療法クレニオセラピー → 自律神経の調整で慢性化を防ぐ。
→「椎間板ヘルニア」のページに戻る → 椎間板ヘルニアの原因と改善方法
まとめ
- マッケンジーテクニックは、患者自身がセルフケアできる運動療法。
- 「椎間板の変性」「筋肉の硬化」「姿勢の問題」の3つのタイプに分類し、適切な運動を行う。
- 当院では、カイロプラクティック・オステオパシーと組み合わせ、より効果的な施術を提供。
→ 椎間板ヘルニアや腰痛でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。