四十肩・五十肩
当院では、生体力学・運動力学の視点から骨格構造をとらえ、頭蓋仙骨系カイロプラクティック(頭蓋骨&骨格調整)を用いて全身を対象に施術しています。
頭蓋仙骨系カイロプラクティックは、頭蓋骨調整を主軸に米国カイロプラクティック・オステオパシーの優れた複数のテクニックを融合した手技です。
施術では、姿勢分析・運動テスト・可動域検査・モーションパルペーション(動的触診)・筋機能テストで、身体の様々な問題点を洗い出すことで、各テクニックの特徴に最も相性の良い手技を組み合わせることで最善の効果を狙うことが可能です。
ここでは、四十肩・五十肩の原因や進行の段階の特徴、改善方法について解説します。
四十肩・五十肩の原因と改善方法
四十肩・五十肩(凍結肩: Frozen Shoulder)は、3つの進行段階を経て回復していきます。それぞれのフェーズの特徴と対処法を解説します。
四十肩・五十肩は病名ではなく、英語では「Frozen Shoulder」と呼ばれるようにこの年齢層に限らず出現する症状で、「肩関節周囲炎」「癒着性肩関節包炎」などの病名になります。
肩関節周囲の炎症や拘縮によって引き起こされる痛みや可動域の制限が特徴です。特に、腕を上げる動作が困難になることが多く、日常生活に大きな支障をきたします。
1. Freezing Phase「炎症期」の特徴
- 肩関節に突然の痛みが現れる
- 腕を挙げ始めが動かしづらく痛みが出る
(腕を上げ切ってからの痛みではない) - 安静時でも痛みが続く(夜間痛)
- 関節包の炎症が進行し、肥厚が始まる
整形外科で診断を推奨
はじめに整形外科を受診すべきです。通常はレントゲンで異常が見つからないことも多く、逆にレントゲンに異常がなく肩関節周辺に痛みが出るなら肩関節周囲炎と診断されます。
また関節包にに炎症がある場合は、炎症を抑えることを最優先します。
大切なのは、四十肩・五十肩と思っていても腱板断裂や他の病気の可能性を消すことにあり、自己判断ではなくMRIなどの画像診断を受けておいて損はありません。
炎症期の対応と判断
整形外科では、炎症鎮痛剤、ステロイド系関節注射、関節鏡視下授動術、リハビリなどが行われます。
- 炎症期は、安静にすることが重要
- 無理な運動を避け、マッサージを受けない
- アイシングや鎮痛剤、冷湿布で炎症期を凌ぐ
- 痛い肩を下にして寝ない
2. Frozen Phase「拘縮期」特徴
手技療法で効果の現れやすい時期です。
- 痛みは落ち着くが、肩の可動域が大きく制限される
- 炎症は治まり、関節包が硬くなる
- 服を着る、髪を結ぶなどの日常動作が困難
腕を挙げ切った状態で痛みが出る場合は肩関節の施術効果の出るタイミング。
3. Thawing Phase「回復期」特徴
手技療法で最も効果の現れる時期です。
- 痛みがほぼ消え、肩の可動域が徐々に回復する
- 肩を動かすとまだ違和感がある
- リハビリや適切な運動を行うことで、スムーズな回復が可能
融合手技で可能なこと
炎症期で、何をしても痛い、夜間痛で眠れない、歩いても響く…、個人差やタイミングにもよりますが、まずは安静が一番なのが現実的な処置です。
夜間痛のある場合はアイシングや鎮痛剤で炎症期を凌ぎます。ここで無理に肩周辺を緩めたり刺激を加えると悪化してしまう時期が炎症期です。
しかし、炎症期が過ぎ「拘縮期」に入ると手技治療の効果が活きるタイミングです。頚椎や胸椎、胸郭、鎖骨、肩甲骨とその関連した筋肉と筋膜を調整することで回復が可能です。
カイロプラクティックの視点と施術
カイロプラクティックでは、肩関節の動きの制限は脊椎(特に頚椎・胸椎)の歪みや肩甲骨、神経圧迫が関係していると考えます。
筋肉のアンバランス→特定の筋群に過度な負担がかかり、痛みや拘縮を誘発
- 頚椎・胸椎・胸郭の調整で神経圧迫の緩和操作
- 背骨のアライメント調整で肩や肩甲骨の可動域を拡張
- 関連筋肉・筋膜の調整で運動領域、可動域がスムーズに
オステオパシーの視点と施術
オステオパシーでは、肩関節周囲の筋膜や血流の滞りを原因と考えます。
内臓の影響 → 肝臓や胃の負担が肩の動きに影響することも
- 頚椎・後頭骨のリリースで可動域の回復
- 筋膜リリースで肩関節の炎症を軽減
- 肩関節周囲の筋膜を調整し、拘縮を和らげる
四十肩・五十肩のまとめ
四十肩・五十肩は、脊椎のバランスや筋膜の影響、トリガーポイントも関与しています。
つまり背筋が伸びず、猫背による胸郭の動き制限されたり、さらに肩甲骨や鎖骨の動きが制限された状況では、腕・肩関節の挙上や動きに制限が生まれ、その状態で無理に動かすと痛みが出てきます。
当院では、カイロプラクティック・オステオパシー・頭蓋療法クレニオセラピーを用いて、骨格・神経・筋膜・筋肉を通じて「肩の可動域」を広げ、痛みを改善する施術を行っています。
日常の姿勢やケアと併せて、健康な肩の動きを取り戻しましょう。四十肩・五十肩は、痛みが軽度であるうちに対処することをおすすめします。整形外科や接骨院の保険診療で改善が見られない方もご相談ください。